報道情報番組へ変化したワイドショー

2009年まで大和田獏さん、そのあとを引き継いだ先輩の寺崎貴司アナウンサー、14年からは橋本大二郎さんと、3代のメインMCのアシスタントを務めましたが、最初の3年、5年はとにかく無我夢中。慣れない私はアシスタントとして、「次はこのニュースです」とVTRを振るくらいのことしかできていなかったと思います。

その間、ワイドショーの内容も大きく変化しました。

ワイドショーが取り上げるテーマというと、以前は社会的に話題になった事件や芸能ニュースが多く、私が「ワイド!スクランブル」に加わった98年は、剣劇で知られた俳優・浅香光代さんとプロ野球監督(当時)・野村克也氏の妻の野村沙知代さんとの対立、いわゆる「ミッチーサッチー騒動」が大きく取り上げられていました。

いまから考えると信じられないのですが、その話題は、その後3年にわたってお茶の間を席巻していました。

が、2000年以降、風向きが大きく変化します。

01年、小泉純一郎氏が内閣総理大臣となって以降の「小泉フィーバー」、あるいは「小泉劇場」の影響で、選挙報道が異様な盛り上がりを見せるようになりました。それまで政治と縁遠かったワイドショーでも、政治・政局関連のテーマを取り上げる回数がグッと増加したのです。

02年には北朝鮮拉致被害者の方々が帰国したことで、東アジア情勢などの国際問題にも関心が集まりました。

2000年以降、ワイドショーで扱うテーマが変わった(写真提供:写真AC)

さらには、社会保険庁の年金記録管理の不備が指摘された「消えた年金」問題、麻生内閣から鳩山連立内閣への政権交代など、暮らしに身近な政治・社会のテーマが次々と取り上げられるように。「ワイド!スクランブル」にも政治家がゲストとして登場したり、政治評論家がコメンテーターとして参加するのが当たり前になりました。

ワイドショーは報道情報番組として、新たな段階を迎えることになったのです。