災害報道を行うたびに思い出す、自らの体験

近年、ワイドショーのもうひとつの大きなテーマとなっているのが災害報道です。

「ワイド!スクランブル」が始まった96年以降、11年の東日本大震災をはじめとして熊本地震、西日本豪雨、九州豪雨など、各地で災害が多発し、その被害の様子をお伝えしなければならないことが増えてきました。

災害とその被害を扱うたびに思い出す、ごく個人的な体験があります。

入社3年目の年末、私が当時住んでいたアパートの隣にあった建物が、放火被害に遭ったのです。

出火当時、私はお風呂に入っていたのですが、向かいの方が「火事だ!」と叫んでくださり、あわてて手近にある服を着て飛び出しました。髪も身体も濡れたまま震えていたら、近所の方がマフラーをぐるぐる巻いてくれました。

入社3年目、火災の被害に(写真提供:写真AC)

何ひとつ持ち出せないまま避難し、落ち着いたころにアパートに戻りました。風向きの関係で延焼被害は私の部屋が最も大きく、はじめてのボーナスで買ったバッグも、お気に入りの服も、靴も、思い出の写真も何もかもが、全部焼けてしまいました。