ワイドショー番組の司会を23年間務めてきた大下さんですが、その内示は青天の霹靂だったそう(写真提供:CCCメディアハウス)
2020年6月、テレビ朝日で女性初となる役員待遇「エグゼクティブアナウンサー」に昇進した大下容子アナウンサー。1998年からワイドショー番組、「ワイド!スクランブル」の司会を23年間にわたって担当しています。19年4月からは番組名に「大下容子ワイド!スクランブル」と自らの名前が冠されていますが、実はこの間、ワイドショーはその性質を大きく変化させてきたそうで――。

「まさか、私がワイドショーを?」

「それは決定ですか? それとも相談ですか?」

内示を受けたとき、私は生意気にもそんなことを口走ったと記憶しています。

決定だと告げた部長に「私はスポーツでやっていきたいんです」と主張し、さらに上席の局長のところにまで直訴に行くなんて、当時28歳だった私はずいぶん向こう見ずだったと思います。

長野冬季オリンピックのリポートがとてもよかったから、ああいう感じでのびのびとやってほしい―局長から返ってきたのは、そんな言葉でした。

ありがたいことでしたが、スポーツの現場から離れる不安もありました。そんなとき、相談した友人に「ワイドショーって、いろんなテーマを扱うんでしょ。だったら、スポーツもそこに入るんじゃない?」と言われました。単純な私は、それもそうだと思い、受け入れることにしました。

98年10月からの「ワイド!スクランブル」では、メインMCに俳優の大和田獏さんが就任されました。私は、そのアシスタントです。