絵の価格は時代によっても大きく変わる
作家の人気を具体的に反映しているところもありますが、時代によっても全然違ってきます。バブル期は、号50万円くらいの作家は結構いて、中には号300万円する作家も存在しました。
10号で3000万円! 都内で1LDKマンションが買えてしまいます。
2021年現在は、号100万を超える作家は、ほとんど存在しません。ちなみに、僕の現在の号単価は10万円です。
前述の10号だと、100万円。それでもびっくりする価格ですが、バブル期の画家の中には軽井沢や葉山に別荘を持つ作家、わざわざヨーロッパにアトリエをかまえる作家もそう珍しくはなかったそうです。画壇のベテラン作家からそんな伝説めいた話を聞くと、なんだか別の世界の話を聞いているような気持ちになります。
そして作品が小さくなってくると、今度は割高になっていきます。なぜでしょうか。
小さい作品は、自宅に掛けやすいから売れます。だから、号単価は割高になる。
ただし、作家の目線では、大きくなればなるほど向かい合う時間が必然的に長く、力が入っている傾向があります。飾る場所さえあれば、大きな作品が割安で買えるのは、コレクターにとってはいいことなのです。