しかし単純計算では決まらない

ちなみに、日本のメインの販売の場所である百貨店の美術画廊では、大きいものでも100号から150号までが一般的だとされています。

日本絵画標準サイズ(『完売画家』より)

100号は、約162センチ×130センチで、たたみ2畳分ほどの大きさ。号単価の基準となる10号は、だいたい53センチ×45センチくらいです。

号単価は、1号あたりの価格のことです。号単価が3万円の場合、10号の価格は、3万円×10号で30万円となります。

では、40号はいくらか。

単純計算すると、40号は3万円×40号だから120万円なのかといえば、じつは、それほど「単純ではない」のです。

多くの人が絵を買うときは、自宅に掛けられるかどうかを考えます。

大きなサイズの絵画は、大きな空間のある家でなければ掛けられません。日本の住宅事情を考えれば、大きな家に住んでいる人はそれほど多くはない。ですから、買う人は減ります。サイズが大きくなるほど、絵は売れにくくなるのです。

そのため、ギャラリストは大きくなるにつれて、割安にしていきます。

号単価が3万円の場合、40号はだいたい90万円くらいまで下がります。だいたいと言ったのは、明確な基準がなく、各ギャラリストの裁量によって決まることが多いからです。