「家ではカミさんから〈ちょっと背中丸いわよ〉と忠告されることもあります。言ってくれる人がいるのはありがたいですね。夫婦円満というのも元気の秘訣かなと思います」

健康的な色気は保ちたい

この歳になると、体が丈夫でありさえすればあとはもうなにもいらない。色気なんてものは、枯れてくるのが普通かな。昔は女性はみんな綺麗に見えちゃって、タイプも年齢も国籍も問わないなんて豪語していたものだけれど(笑)。選択の幅が狭くなっちゃってどうにもつまらない。しかしこれも長生きのための体力温存と思えば、致し方ありません。

ただし身綺麗にしておくことと、姿勢よくいることで、健康的な色気は保たれると考えています。僕は毎朝、朝食を作るのが日課。目玉焼きとベーコンスライスと鮭の焼いたやつと明太子、これとお茶漬けを食べます。

食糧も自分で買い出しに行く。散歩を兼ねて近所の紀ノ国屋というスーパーまで袋をぶら下げてブラブラ歩いて行くのだけれど、前方から歩いてくる年寄りを見るとやっぱり気になりますね。「同じくらいの歳かな」と目星をつけつつ、「なんであんなにトボトボ歩きなんだ」「背中が丸い」なんて考える。あれでみんなおそらく僕よりは下のはずです。

僕は坂道が多少しんどくても、背筋をのばして歩きます。なにしろ、僕は役者でもあるわけですから(笑)。ブティックのショーウィンドウに映る姿を確認して、ああ大丈夫だと自分では思うのだけれど、家ではカミさんから「ちょっと背中丸いわよ」と忠告されることもあります。言ってくれる人がいるのはありがたいですね。夫婦円満というのも元気の秘訣かなと思います。