松田青子さんの小説『おばちゃんたちのいるところ――Where The Wild Ladies Are』が、アメリカの世界幻想文学大賞・短編集部門を受賞した。
『おばちゃんたちのいるところ』は、追いつめられた現代人のもとへ八百屋お七や皿屋敷のお菊が一肌ぬぎにやってくる、「ワイルドで愉快な」連作短篇集。2016年12月に単行本版、2019年8月に文庫版が中央公論新社より刊行されている。
本作は、NYタイムズ、BBC、ガーディアン、ニューヨーカーなど、海外メディアで絶賛されており、アメリカでロサンジェルスタイムス主催のレイ・ブラッドベリ賞の最終候補になったほか、独立系出版社から刊行された本に贈られるファイアークラッカー賞を受賞。『TIME』誌の2020年ベスト10にも選出されていた。
「世界幻想文学大賞」は、1975年にアメリカ合衆国で創設された、ファンタジー作品を対象とした文学賞。日本では2006年に村上春樹さんの『海辺のカフカ』が長編部門で、2019年に宮崎駿さんが生涯功労賞を受賞している。
【「世界幻想文学大賞」公式サイト】
https://locusmag.com/2021/11/2021-world-fantasy-award-winners/
●松田青子さん略歴
1979年、兵庫県生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。2013年、デビュー作『スタッキング可能』が三島由紀夫賞及び野間文芸新人賞候補に、14年にTwitter 文学賞第一位となり、19年には「女が死ぬ」(英訳:ポリー・バートン)がアメリカのシャーリィ・ジャクスン賞短編部門の候補となった。著書に『英子の森』『持続可能な魂の利用』『男の子になりたかった女の子になりたかった女の子』『女が死ぬ』、エッセイ集『自分で名付ける』などがある。