報道された放デイ職員によるわいせつ行為

そのような中、2021年11月4日の「読売新聞」にて、放デイで職員による子どもへのわいせつ行為が相次いでおり、特に車での送迎中に性暴力に及ぶような手口が横行している、という報道がなされた。

『パンツを脱いじゃう子どもたち-発達と放課後の性』(著:坂爪真吾/中公新書ラクレ)

同紙の全国調査では、放デイにおいて、2016~20年度の間、少なくとも職員25人が、39人の子どもにわいせつ行為をした疑いのあることが明らかになっている。

福祉施設の職員による障害者に対するわいせつ行為や性暴力は、四半世紀以上前から問題になっていたとされる。職員としての立場を利用して、自分の身に起こったことを他者に説明できない(あるいは、そもそも被害を認識できない)障害児・者を狙って、卑劣な形で自己の性的欲求や支配欲を満たそうとするのは、決して許されないことである。

しかし誰もが見て見ぬふりを続けている中では、職員によるわいせつ行為や性暴力を未然に防ぐことは難しいだろう。