放置されてきた、障害のある子たちの<放課後の性>とどう向き合うか(写真提供:写真AC)
障害のある子どもや発達に特性のある子どものための福祉サービスで、利用者が飛躍的に伸びているという「放課後等デイサービス」。一方「サービスの現場で問題になっているのが性に関するトラブル」だと指摘するのが、社会的な切り口で現代の性問題の解決に取り組む坂爪真吾さん。サービスに携わる職員が起こした性被害が新聞等で報道される今、坂爪さんも「人前で服を脱ぐ、性器をいじる、といった行動が見られる彼らを社会で守ることは急務」と言いますがーー。

コロナ禍で注目。利用者数22万人を超える「放課後等デイサービス」とは

2020年2月27日、新型コロナの感染拡大を防ぐために、安倍晋三首相(当時)は全国の小中高校に3月2日から春休みまでの臨時休校を要請した。

突然の休校によって、行き先が無くなってしまった子どもたちの預け先として、学童保育に注目が集まった。

学童保育とは、日中保護者が家庭にいない小学生の児童(=学童)に対して、授業の終了後=放課後に適切な遊びや生活の場を提供することで、児童の健全な育成を図る保育事業の通称である。「子どもの頃、放課後に学童に通っていた」、あるいは現在、「自分の子どもを学童に通わせている」という人も多いはずだ。

学童保育の領域において、この数年間で飛躍的に利用者数を伸ばしたサービスがある。それは「放課後等デイサービス」である。

放課後等デイサービス(以下放デイ)とは、障害のある子どもや発達に特性のある子どものための福祉サービスである。6歳から18歳までの就学年齢の子どもが通うことができ、障害や特性に配慮された居場所の中で、子どもたちに生き生きと過ごしてもらうことを目的としている。

2020年4月の時点で、全国に約1万4千の事業所があり、利用者数は22万人を超えている。生活介護や就労継続支援B型(一般企業などに就職が難しいような各種障害や難病を抱えている方に働き場所を提供する目的で定められた制度)と並び、障害福祉サービスの中でも、最も利用者数の多いサービスの一つになっている。