九州の期待を背負った大関・正代が…

その淡白な取組の連続を、前頭７枚目・宇良が前頭６枚目・玉鷲の足を、立ったとたんに取って勝つことで覆してくれた。さらに、前頭５枚目・高安が前頭4枚目・遠藤に、取り直しの相撲で押し出して勝った。物言いのついたこの相撲は、遠藤が土俵につきそうな手を、体を裏返しにしてつかないようにしたように見え、「根性の空中技」に感動し、「遠藤の勝ちにすれば良いのに」とさえ思った。

さらに、さらに、先場所8勝しかしなかった大関・貴景勝が突き落としで前頭筆頭・若隆景に勝ち、後半に出てくる力士の相撲はいいなあ、と気を良くしていたら、やってくれましたよ。九州の方々が応援しているだろう熊本県出身の大関・正代。前頭筆頭・大栄翔に押し倒されてしまった。

私は千代の富士が引退して以来、大好きという力士がおらず、大相撲が面白くなること、大相撲がずっと続くために必要な力士を応援し、場所ごとに応援する力士が変わったりする。今場所は若隆景と大栄翔が強いと面白くなると思い、応援するつもりだ。

しかし、次に横綱になるのは誰だろう？

横綱・照ノ富士が新小結・霧馬山を小股掬いで破った相撲を見て、やはり横綱になる人はいろいろな技を持ち、相撲もうまく、勝負への根性もあるのだと実感した。