3人が初共演した2015年の『エリザベート』
山崎 俺が優と初めて会ったのが、2011年のミュージカル『ロミオ&ジュリエット』だったけど、確かに、僕らふたりで引っ張っていこうという感じで、特に優のほうが現場を盛り上げていたよね。クレイジーとまでは思わなかったけど。(笑)
城田 でも、一見おとなしそうだけど、頭の中が一番クレイジーなのは育だと思う(笑)。それこそ、3人が初共演した15年の『エリザベート』のときなんて、松也と俺に「ふざけろ」と陰で指令を送っていたのは、この人なんですよ。育が司令塔で、怒られるのは我々。
山崎 それくらいじゃなきゃ、クレイジー担当だったふたりと一緒にいられないでしょう。(笑)
城田 だから、『エリザベート』では、ほかのキャストやスタッフさんから、「こいつら、ずっとふざけてるな」って思われてたと思う。
山崎 なんでふざけちゃうんだろう。自由でいたいのかな。
城田 そういう空気感の中でやることが大切っていうか。
松也 着飾ってもしょうがないぞっていうところがある。
山崎 「ふざける」というのは言葉が悪いけど。
松也 盛り上げる。テンションを上げる。楽しむ。
城田 だね。
山崎 いや、俺も10代の頃からずっと思っていたんだよね。俺たちがやっているのは自分を解放する仕事だから、稽古場でも本番でも、もっとリラックスして自然体でできたらいいな、と。で、そういう空気を『ロミジュリ』で優と作れて、みんなが自由にお芝居したり歌ったりできたのがよかったなと思っていて。
城田 『エリザベート』なんて特に重くて堅い作品だから、稽古場までそうなったら、いいものを作っていけないしね。
松也 僕も『エリザベート』に初参加したときは、畑違いの自分の色を出すことで、舞台に刺激を与える存在になれたらなとは思っていた。キャストが一新したときでもあり、僕らの空気を作りたいという気持ちがあったんです。どこまでできるか不安ではありましたけど。でも、そこに優がいて、初めて出会った育とも仲良くなれて。この強い味方がいたら何でもできると思いましたね。