一貫した教育の指標もない

教授陣には、一貫した教育の指標はありません。教授は多く在籍していますが、学生たちをどう育てるかの合意が取られているわけではない。

本来、何かひとつのものを作るときには、ある程度同じ方向を向く必要があります。

何か製品を作るときに、「いちばん大事なのはデザインだよ」「いやいや、いちばん大事なのは中身に決まっているでしょ」とコンセンサスが取れないまま進んでいったらどうなるでしょう。現場は混乱し、いつまでたってもちゃんとした製品にはなりません。教育も同様です。

教授陣が好き勝手に自分の美意識、自分の価値観で言いたいことを話す。しかも、どの美意識も価値観もバラバラ。個性があるといえばそれまでですが、学生側にしてみれば、たまったものではありません。

どの教授の言うことを信じればいいのかわからないから、混乱します。

実際、ほとんどの学生が混乱していたと思います。

それぞれの教授は、「こっちが正しい」と学生を引っ張ろうとする上、教授たちの方向はバラバラ。それゆえ、学生は様々な方向に引きちぎられてしまうのです。