断捨離するも、その足でまた
子どもの頃から縦にも横にも大きいわりに、内気だった私。中学生の時からずっと漫画家になることを夢見ていた。年頃になっても浮いた話や縁談はなく、ますます趣味に没頭する。しかも20歳の時に十二指腸潰瘍を患ったのをきっかけに、4年もの間、引きこもりになってしまったのだ。
引きこもりを脱したのは、皮肉にも漫画家になる夢を諦めた時だ。投稿を続けていた少女雑誌で、「一番大切な画力が一番駄目だから、もっと勉強しなさい」と評された。
現実に引き戻されたものの、パートくらいしか職はなかった。それでも私が就職したことに両親は喜び、輪をかけて過保護に。それをいいことに、私は家に一銭も入れず、給料のすべてを趣味につぎ込んできたのだ。
とくに50代に入った頃は、母の介護がのしかかり、認知症の始まった父との生活と仕事の三重苦状態で、現実逃避をしていたところがある。
その後、母が亡くなり父を施設に預け、実家を出た時にあらかたのフィギュアやぬいぐるみを処分した。しかし、初めてのひとり暮らしが寂しくて、またゲーセン通いを始めてしまったのが運のつきだった。
私もこのままではよくないと思ってはいて、半年に一度は大断捨離を決行するのだ。大きな紙袋を3つ4つ提げて、リサイクルショップに売りに行く。えっちらおっちら運んだところで全部で1000円の値がつけばいいほうだ。
しかし、ガランとした部屋が寂しくて、また翌日からゲーセンに通ってしまう。ひどい時は、売った代金の1000円弱をリサイクルショップに隣接するショッピングモールのゲーセンで使い果たして、追い銭するようなこともあった。仕事でイライラしている時なども、足が向かってしまう。この2、3年はこんな調子だ。