「気持ち悪い」と言われても

たまにメダルゲームに張りついている中高年を見かけることがあるが、私はまったく興味が湧かない。ぐるっと一周して、お気に入りのキャラクターグッズやぬいぐるみを見つけると、まず2000円ほど両替する。

店員も慣れたもので、笑顔で応対してくれる。でも「ああ、このオバサンいい年してこんな所に来て、寂しい人だ」と思われているのだろうと考えると、さすがにガクッとくる。

職場で思い切って自分の趣味を打ち明けたこともあるが、「気持ち悪い」「足を洗いなさい」と言われた。でも、ほんの数人だが「趣味は趣味だから」と理解してくれて、最小限の人付き合いはできている。アニメのキャラクターの腕時計を「かっこいいね」と言ってもらったり、バッグにつけたぬいぐるみを「可愛いね」とほめられたり、大量のお菓子を職場に差し入れて「ごちそうさま」と喜ばれたりすると、素直に嬉しい。

何より、可愛らしい顔をしたぬいぐるみが取れた時には、本当に幸せを感じるのだ。

それでついつい、「家においで」と言いながら100円玉を突っ込んでしまう。このままでは「ガキばあさん」まっしぐらだ。

とはいえ、ワクワク感は抑えようもなく、相変わらずゲームセンターに通う日々である。


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