相手の意欲を高めたい時にどう言うか

意欲的な提案をしてきた部下に

NG:大丈夫か? と心配する
OK:やってみなさい と信頼する

日頃から意欲のある部下が、「こんな仕事をやってみたい」と、企画を持ってきました。

その時に、

「難しいんじゃないか?」

「大丈夫だろうね?」

と、心配する言葉を口にしてしまう上司がいます。

しかし、そのような言葉は、部下のやる気を奪う可能性があるので、あまり口にしないほうがいいと思います。

上司は責任者ですから、その仕事がうまくいくか心配したくなるのはわかります。

しかし、部下とすれば、「私を信用していないのだろうか」「能力を疑っているのかもしれない」と、ネガティブな気持ちになるでしょう。そうすれば、仕事にかける意欲も弱まることになります。

飲料メーカーのサントリーを創業した鳥井信治郎は、部下の提案に対して否定的な言葉は口にしなかった、と言います。

この鳥井信治郎には、こんな口グセがありました。

「やってみなはれ」

これは大阪弁ですが、標準語に直せば、

「やってみなさい」

「とりあえずやってみよう。やってみなければわからない」

ということでしょう。

よけいな心配を口に出さず、すべてを任せることも大事(イラスト提供:イラストAC)

鳥井信治郎は、部下の提案を実行に移す時は、よけいな心配など口には出さず、その部下を全面的に信頼して「やってみなさい」と、すべてを任せていたのです。

「だいじょうぶか?」よりも、「やってみなさい」のほうが、部下の意欲をより高めるのに効果的な言い方なのは明らかでしょう。