よどんだその場の空気も「言い方」で変わる?(イラスト提供:イラストAC)
なぜか人との距離が縮まらない。自分が話すとうまくいかない。職場や家族とのやりとりでそんなことを感じ、疲弊している方もいるのでは? 対して「伝え方を変えてみて」とアドバイスするのが、「言葉」を通じた自己啓発の大家・植西聰さん。前回の記事では「相手を味方にする言い方」を紹介しましたが、今回のテーマは「空気を変える言い方」。空気を変えたいときに大切なのは臆病や心配に寄りすぎない言葉選びだそうで――。

ネガティブな言葉が多いと嫌われやすくなる

前回の記事でご紹介した、「人間が幸せに生きていくためには何が必要か」ということを中心に研究する心理学の一分野であるポジティブ心理学。

「人間の幸せ」のためには「いい人間関係」に恵まれることが不可欠、というその教えのひとつとして、「ポジティブな言葉は自分自身の心を元気にするばかりか、まわりの人たちの心も元気にする」というものがあります。

ですから、なるべくポジティブな言葉を使うことを意識して、まわりの人たちの心に、元気というエネルギーを注ぎ込んでいくことが必要です。

逆に話の中にネガティブな言葉が多いと、まわりの人たちから嫌われる原因のひとつになると思います。

「こんな仕事のどこが面白いの? イヤになる」

「やってられないよ。やる気にならない」

「世の中、どうなってしまうのか。お先、真っ暗だよ」

といったネガティブな言葉が話の中にひんぱんに出てくると、聞いている人の心も暗くなってしまいます。そのために、その場の空気も悪くなってしまうのです。

ネガティブな言葉で心を暗くし、空気を悪くする人が、まわりの人たちから好かれるわけがありません。まわりの人たちに好かれる人は、いつでも、ポジティブな言葉をたくさん使っているようです。

ポジティブな言葉は、聞いている人の心を明るく、元気にします。その場の空気も活力に満ちてきます。

したがって、どんな時でも、ポジティブな言葉を多く口にすることが大切です。

「この仕事、こうすれば面白くなるんじゃない?」

「夢があるね」

「ワクワクする」

といった言葉です。

よどんだり滞ったりしがちな場の空気。雰囲気の気圧は強く、変えるのは難しい…なんて感じられたときほど「言いかえ力」を活用しましょう。今回はそんな言いかえのヒントをご紹介したいと思います。