ネガティブ・ケイパビリティの力を身につけるための3つのヒント

【ヒント1】手っ取り早く答えを求めない

私たちは早く物事を解決しようとするあまり、すぐに手の届くものに頼りがちです。問題解決のためのマニュアルを鵜みにしない、ハウツーものにはまらないことが大事。この新型コロナの感染拡大で、世の中は答えの出ない、中ぶらりんの状態です。

「コロナなんか怖くない」「ワクチンなんて打たなくていい」という言説もSNSを中心に飛び交いました。スマホで情報を調べる癖のついた人々は、中ぶらりんに耐えられなくなって、重箱の隅をつつくように詳細な情報を求めてしまいがちです。

でも、それでわかったつもりになってはいけないと思います。大多数の意見は得てして眉唾のこともあるので、簡単に賛同してしまうのではなく、少数派になってもいいから、自分の意見を貫いてみる。少数派には真実が宿りやすいのです。

 

【ヒント2】考えないで置いておく

働かない息子の将来が心配、姑のあの言動が許せない、酒飲みの夫とは今後どうしたら……など、みなさんさまざまな悩みを抱えていることでしょう。小さな脳みそを働かせて早く解決したいと動くけれど、カッカした状態で考えても、うまくはいきません。

コロナ禍の混乱だけではなく、身の回りで起こる問題に直面したとき、焦るのがいちばんよくないので、大きな流れに身を任せる、考えないで置いておく、というアプローチも必要なのです。そうするといつの間にか事態が改善しているということもあります。

 

【ヒント3】日頃から芸術に触れる

芸術や創作活動には、これといった正解やゴールがありません。ずっと中ぶらりんの状態。これはネガティブ・ケイパビリティにも通じるところがあります。

ですから芸事を始めてみるのはいかがでしょう。昔好きだったピアノや書道をもう一度やってみる。絵を描いたり小説を書いてみるのでもいい。絵や写真を見て、「なんとなくいいなあ」と思うことがあるでしょう。昨今はそうした柔らかな感性を失いがちなので、今後の人生を豊かにするためにも芸術に触れるのはおすすめです。

これらの3つを意識しておくと、小さなことに思い煩うことなく中ぶらりんの状態を耐える能力が徐々に養われていき、柔軟な生き方ができると思います。