和歌山産の平目を用いたパン粉焼き。チーズやコリアンダーを混ぜたパン粉をつけ、オーブンで焼きあげる。ソースは魚の出汁をベースにドライトマト等を加えたデュグレレ。右が「発酵マッシュルーム」。この一皿に二十数個のマッシュルームが入る。中に忍ばせた温泉卵が全体をまろやかにまとめ上げている 。

フランス料理の技法や北欧のエッセンスが凝縮

銀座のど真ん中。あの和光の時計台を真正面に望むロケーションの中、リュクスなランチを約束してくれるのが、ここ「ラルジャン」だ。フランス語で“銀”を意味する店名に相応しく、シルバーメタリックの壁などグレーでまとめた店内はシックでスタイリッシュ。フランスや北欧で研鑽を積んだ加藤順一シェフが創り上げるモダンな味わいの一皿一皿にぴったりとフィットする。

「日本中から集めた優れた食材に、フランス料理の技法や北欧のエッセンスを加味しつつ、ここにしかないおいしさを伝えていきたい」と加藤シェフ。その言葉通り、ランチのメニューでも、京都の七谷鴨や岩手県石黒農場のホロホロ鳥など、加藤シェフ自ら産地を訪ね、納得して選んだ食材の数々がずらりと並ぶ。

中でもおすすめは、「発酵マッシュルーム」。静岡・長谷川農園のマッシュルームを発酵、ソテー、生と異なる3つの手法で調理し、一つの皿にまとめたスペシャリテだ。発酵して液体化したマッシュルームの凝縮された滋味に、生ならではの食感やソテーした香りが交錯する味わいの妙は格別。シンプルかつ洒落た一皿だ。

デザートの“薔薇”。竹炭のメレンゲの間に潜んでいるのは、竹炭のゼリーに覆われたバラのアイス。液体窒素で凍らせた食用のバラの花びらを客の目の前で散らすパフォーマンスも楽しみ。思わず歓声が上がる一瞬だ。

また、デザートはテラスでという趣向も粋。アフタヌーンティー気分で寛げそうだ。