左は「山形豚のマルゲリータ仕立て」。脂身と赤身肉のバランスが良い肩ロースを使用。脂が軽く、旨みはありつつもクセのない山形豚は後藤シェフのお気に入り。右は「前菜3種の盛り合わせ」。左から“森林どりのガランティーヌ”“タコのテリーヌ”“釜揚げシラス入りのフリッタータ(イタリア風オムレツ)”。フリッタータに添えてあるのはバッカラ・マンテカート(タラのペースト)

オープンキッチンも楽しい、おもてなしイタリアン

創業100年を超える老舗が軒を連ねる日本橋界隈。その一角に昨秋オープンしたイタリア料理店がここ「ダ ゴトウ」。

“後藤の家”を意味する店はモダンなビルの2階にある。扉を開けると現れるコンクリート打ちっぱなしのシックな空間に一瞬怯むかもしれないが、後藤大輔シェフの温かな人柄に触れれば、肩の力も自ずと抜けるに違いない。

後藤シェフはイタリアン一筋25年の大ベテラン。あの「カノビアーノ」等で研鑽を積んだ経歴を持つ。「レストランでなければ食べられない料理を」と、ランチでもひと手間かけた皿の数々を提供する。

その言葉に目と舌で納得するのが前菜3種だ。森林どりの腿肉に胸肉のミンチを巻きこんだガランティーヌ、茹でたタコをプレスしたテリーヌなど、一つ一つの料理に手がこんでいるだけではなく、ガランティーヌには赤キャベツのマリネとトリュフ風味のスクランブルエッグ、タコのテリーヌにはレンズ豆のサラダを添えるなど、仕上げにかける手間も細やか。
 

ビーツの赤が斬新な「タリアテッレ 自家製サルシッチャとビーツのソース トリュフ風味」。料理はすべて3300円のランチコースから。他にデザートもつく

リストランテ的一皿も魅力だ。メインの山形豚にしても、イタリアンにありがちな焼きっぱなしではなく、トマトやモッツァレラ、バジルとともに焼き上げ、一味違う美味しさを楽しませてくれる。