移り行く季節を舌で感じさせてくれる
銀座の真ん中でゆったりとランチタイム。そんな贅沢なひとときを約束してくれるのが、ここ「上海ルージュ」。今年7月にオープンしたばかりの注目店だ。
腕をふるうのは、あの料理の鉄人・脇屋友詞シェフの懐刀として26年間研鑽を積み、料理長も務めた実力を持つ沖倉康志シェフ、45歳。ここでは、オーソドックスな上海料理をベースに独自のアレンジを加え、日本ならではの旬の味を取り入れていきたいと意欲を燃やす。
ランチの「季節野菜と海鮮の炒め」にしても、脂ののったハタや帆立貝などの海鮮と銀杏やキノコといった秋の味覚を用い、移りゆく季節を舌で感じさせてくれる。
また、上海料理といえば、やはり煮込み料理。沖倉シェフも得意とするところで、その一つが、コースのメインでもある東坡肉(トンポーロウ)こと「皮つきバラ肉のトロトロ煮込み」。皮つきの豚バラ肉を、1時間ほど下茹でした後、水と砂糖と醤油で約4時間、ゆっくりと煮込んだ力作だ。
シェフ曰く「じっくりと炊くことで、肉の繊維が壊れる」そうで、ホロリとほぐれる肉とトロトロの脂身とのバランスも上々。口にすれば、口中で優しく一体化、やわらかな旨味がじんわりと広がる。スペシャリテの一つというのも頷ける美味しさだ。
上海ルージュ
●東京都中央区銀座5-8-20 銀座コア10F 電話03・6264・6595 11:00~14:30、17:00~21:00(L.O.) 月曜休 114席(個室7室)
●昼/コース 3850円~ 夜/コース 1万6500円~ ほかに季節の食材を使ったアラカルトメニューも
●アクセス/東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A4出口直結。銀座四丁目交差点からすぐの銀座コア10階