離婚後の子どもの苗字はどうなる?

さて、子どもがいると、離婚の際に悩むのが苗字です。

日本には戸籍法があり、婚姻時には妻か夫の苗字の戸籍を作成し、離婚するとなると、苗字を変えた方が婚姻時の苗字か結婚前の苗字に戻すということが、法律で決まっています。

ちなみに、戸籍法とは、昭和22(1947)年に制定された法律で、各人の身分関係を明らかにするための戸籍の作成・手続きを定める日本の法律です。

戸籍法がある理由は、自分の先祖をたどっていけること。実はもう一つ、大きな意味を持ちます。相続の時に、亡くなった方の誕生から死亡時までの戸籍を金融機関などに提出するのは、婚外子(認知した子ども)の有無を把握するためです。

【図】子どもの氏変更までの流れ(筆者作成)

離婚時の子どもの戸籍ですが、少しややこしく、離婚などにより夫婦が別々の戸籍になっても、子どもは婚姻時の戸籍にそのまま在籍しています。

このため、妻が夫の苗字になった婚姻の場合では、父の苗字を名乗っていた子どもが婚姻前の母の苗字(旧姓)の戸籍に入りたい場合は「家庭裁判所」に「子の氏の変更」を申し立て(上図参照)、裁判所の許可を得てから「入籍届」を出すこととなります。

よく、芸能人の結婚などで「入籍」という言葉を使いますが、厳密には婚姻の場合は「新戸籍の編製」であり、「入籍」ではないのです。

ざっくりと説明すると、母親の戸籍を新しく作る必要があるため、離婚届を提出する際に、「婚姻前の氏にもどる者の本籍」の項目の「新しい戸籍をつくる」欄にチェックを入れます。

新しい戸籍にも本籍が必要になり、本籍はどの場所に定めるにも自由ですが、子どもがいると本籍と住民票の所在地を同じにする人が多いようです。

その上で、裁判所に「子どもの氏の変更許可」を申請し、許可されたら自分の戸籍に入籍させることになります。

【参考】子の氏の変更許可申立書

すべての手続きを一日で完了することはできません、また、離婚や氏の変更は法律に則っているため、戸惑うことも多々あります。

裁判所というと、難しい手続きを想像してしまいますが、大切な子どもの人生に関わること。後悔のないようにHPを閲覧したり、お住まいを管轄する裁判所に問い合わせたりしてみてください。