スニーカーに履き替えたわけは

藤井さんは、対局者だけでなく、カメラマンやスタッフに対しても、深々とお辞儀をしてくれます。細やかな心配りも欠かしません。竜王戦の第1局と第2局は革靴を履いていたのですが、脱ぎ履きの際、少し手間取る場面があり、第3局からは履き慣れたスニーカーに。豊島さんを待たせないようにという配慮だったのでは、と思います。

偉業を達成した藤井さんですが、ご本人はまだまだ将棋をきわめる旅の途中という感覚なのでは。「藤井一強時代」と言われますが、強敵と戦ってこそ、将棋の可能性が広がる。来期、強い挑戦者を迎えた時、竜王がどんな表情を見せてくれるのか、楽しみです。

(写真提供◎読売新聞社)