血管の老化は、脳疾患や心疾患など命にかかわる深刻な病気の要因に。けれど、血管は何歳からでも鍛えられると専門医の池谷敏郎さんは言います(構成=島田ゆかり イラスト=谷本ヨーコ)

「血管力」を上げるNOウォーキング、ゾンビ体操。一酸化窒素を分泌し、動脈硬化を予防しよう〈中編〉からつづく

食生活の見直しとストレスケアを

血管力をさらに上げるには、血液をきれいにすることが必須。食生活の改善やストレス軽減など、血液のために良い生活習慣をご紹介します。

きれいな血液の条件は、過剰な塩分や糖分を含まないこと、脂質のバランスが良いことです。さらに、血圧上昇を招くストレスホルモンの分泌を抑えるとともに、血管修復に寄与する成長ホルモンの血中濃度を高めることもポイントとなります。どんなに薄味の食事を心がけても、食べすぎては本末転倒。カロリーオーバーは、内臓脂肪蓄積の原因となり、高血糖や脂質異常、高血圧を増悪します。

まず、肉料理より魚を積極的に食べるようにしましょう。青魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は、血管内皮細胞の働きを助ける作用があります。EPAを効率良く摂取するには、鮮度のいい刺身や水煮缶詰、ホイル焼きがおすすめです。そしてダイエットにも効果的な「食べ順」を意識しましょう。野菜を最初に食べる「ベジファースト」を実践している人もいると思いますが、血糖値を上げにくくするためには食物繊維を含む食材を先に食べるのが効果的です。大豆やレタス、キウイなどを最初に食べる習慣を。また、血圧を下げる効果があるトマトや、抗酸化作用の高いブロッコリースプラウトなども積極的に食べましょう。

血液をきれいにするのは食事だけではありません。睡眠は絶好の血管修復タイム。入眠直後から3時間ほど分泌される成長ホルモンは、新陳代謝を促すことで体のダメージとともに血管も修復します。また、運動も不可欠。食後の血糖値を安定させるために散歩に出かけましょう。そして、何より重要なのがストレスケアです。怒りやイライラに伴い分泌されるストレスホルモンは、血管を収縮して血圧を上昇させます。嫌なことがあったら「マイナス感情は血管を傷つける」と思うようにしてください。「まあいいか」と気持ちを切り替えれば、血管を守ることにも繋がります。