隣の芝が青く見えるところも似ている
「『CHICAGO』は、ストーリー、登場人物、音楽、ダンス、衣装、ユーモア、全てが大好き。私にとってパーフェクトな世界であり、私の理想に近いミュージカルです。
人間にはいろいろな部分があります。かわいらしさ、悲しさ、憂い、鋭さ──、そんな相反するキャラクターがひとりの人間に同居していますが、この作品はそんな部分が描かれていて、そこにとても魅かれます。また、ロキシーの、もっと上に立ちたい、どうにかして生きてやるという思いは、私ともリンクします。隣の芝が青く見えるところも似ているかな。(笑)
見かけは(もうひとりの主人公の)ヴェルマのほうがかっこいいし、私も最初に観たときにいちばん目を奪われたのは彼女の登場シーンでした。でもロキシーは途中から出てきて、奪っていくから楽しいんです(笑)。私とは切っても切り離せない、いちばん誇りに思っている役かもしれません。
ロキシーを演じ始めた頃は、チャーミング、チャーミングと言い聞かせながら作っていきましたが、もうだいぶ時間も経っているので、そういうところを少しそぎ落とし、大人のロキシーを作っていきたいです。
全世界であらゆる言語で上演されている『CHICAGO』の一員になれたお陰で私の世界も広がりました。『CHICAGO』にもし出会っていなければ今の私はないと言っても過言ではありません。ブロードウェイでロキシー役を演じるのは今回で4度目になります。そして初めてブロードウェイの舞台に立った 2012 年か10 年が経ちます。何度やっても不安と緊張でいっぱいですが、今の私が演じるロキシーを 是非楽しみにしていただければと思います。精一杯頑張ります」