自分に花丸をあげたら毎日がしんどくなくなった

そんなこんなで、借金返済に追われて約1年。私、エライことを発明したんです!

1996年3月27日、仏滅に結婚。(写真『さゆり52歳 生き様ビューティー』より)

相変わらず、パニック状態で二人で稼いでは振り込んで、を続けていたある日のこと。

急に思い立って、破ったカレンダーの裏紙に、借金の支払先を1つ1つ、会社名、電話番号、返済金額、金利などをバーッと書き出してみました。

今でも忘れません。

その数、43件。……1か月で払えるわけない(汗)。

そこで、今度はカレンダーの裏紙に、縦軸に支払先を、横軸に12か月分のマス目を並べた表を作りました。そして、銀行に支払うたび、横のマス目に「払いました」という印に、「花丸」を書き込むことにしたんです。

今までは催促されるまま、ただ、働いて、現金が手元に入れば支払いに回してと、振り回されていただけだったのが、どの支払先を優先して支払わなければいけないとか、どこがいちばん滞納しているのかとか、一目瞭然になりました。

それだけで「わけわからん状態」が整理されて、頭がすごくスッキリしたんです。

それからは、ワーワー催促されても、「この間は*か月待っていただけたんで、もうちょっと待ってください」と交渉したり、”ここは金利が高いから優先して払わなきゃ!”と考えられたりできるようになりました。 

そして、支払ったら花丸をつける。これが、私の大発明だったんです!

花丸をつけると、目で見て、実感できるんですね、1個1個クリアしてるって。たったそれだけの事が、達成感とやりがいにつながったんです。ただ、むなしい右から左への作業が、コレ支払ったら花丸をつけられる。私、ちゃんと返していけてる! 頑張れる! って、すごく気持ちが前向きになりました。気づくまでに1年かかっちゃいましたけど。

銀行にも縁がなかった世間知らずの私にとって、毎日、知らない世界でいろんな事件に遭遇し、クリアしなければならなかったあの頃は、「毎日大冒険」みたいな日々でした。

※本稿は、『さゆり52歳 生き様ビューティー』(ヨシモトブックス)の一部を再編集したものです。


『さゆり52歳 生き様ビューティー』(著:さゆり/ヨシモトブックス)

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