気持ちを分かち合える喜び

能子 私は今のほうがずっと幸せ。以前は一人で待っている時間が長かったけれど、今はいつもいっしょにいられるから、いつもうれしい。もちろん仕事だから、意見を言い合うこともありますよ。でも、「ラーメンきれいに食べてくれてうれしいね」とか、リアルタイムで気持ちを分かち合える。結婚してから共通の趣味を見つけようとしたことはあったけど、結局、仕事の喜びを共有できることが一番幸せなのかなと思います。

デビット 僕は、能子さんが笑顔でいてくれることが何よりの喜び。ここへ来て笑顔の能子さんがいっぱい見られるようになって、ホントによかった。これからは自分のためじゃなくて、みんなの笑顔のために生きていきたい。

タレントって、ふわっとした存在でしょう。そんな僕が、地に足をつけてどこまで挑戦できるか。これがきっと、人生後半においてすごく大事なことになる――そんな気はずっとしていたんです。それを今、能子さんといっしょにやれていることがうれしい。塊になった欲を剝がして、大事なものが何かをもう一度探すのが、きっと50代、60代なんだろうな。

能子 ラーメン店を皮切りに、この地域を元気に、みんなを笑顔にする活動を広げていくんでしょう。

デビット 地域のおじいちゃんおばあちゃんと子どもたちの交流の場をつくれたらいいよね。若い世代を呼び込んで、シャッター街を復活させたいし。それから、能子さんのエステティシャンとしてのすばらしい技術を生かせる場所、次の世代に伝える場所もいずれつくるつもりだよ。

能子 伊藤商店は二人でつくる最初で最後のお店だけど――。

デビット この町で、二人でやることはまだまだたくさんある。これからもよろしく、能子さん。

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