自分の部屋に逃げ込むしかなくなる

そのため、そんな心ない言葉を親からぶつけられると、子どもたちはひどく傷ついてしまいます。起立性調節障害にかかる子どもたちは繊細なタイプの子が多いので、言い返すよりも内に秘め、「親から信頼されていない、だめな子だ」と自分を責めるようになります。

『【新装版】うちの子が「朝、起きられない」にはワケがある 親子で治す起立性調節障害』(著:森下克也/CCCメディアハウス)

 

親からは責められ、学校にも行けず、勉強はどんどん遅れていく。自己嫌悪と焦りばかりにとらわれます。やすらぎの場であるはずの家が、とても居心地の悪い場所になってしまいます。

そうなると、自分の部屋に逃げ込むしかありません。家族とは口をきこうとせず、ゲームやパソコンにばかり向かうということにもなりがちです。これが続くと、もう立派な「引きこもり」「ニート」です。

子どもたちは、学校に行きたくないのではありません。むしろ、行きたいと思っていることが多いのです。だからこそ、Aさんのように夜になって元気になれば、「明日こそは行こう」と心に誓って、登校の準備をします。