「相撲は負けて怪我をする」
大相撲初場所は、関脇・御嶽海が13勝2敗で13場所ぶり3回目の優勝を果たし、3回目の技能賞も獲得した。殊勲賞は前頭6枚目・阿炎が初めて、敢闘賞は前頭14枚・琴ノ若が2回目の受賞をした。
千秋楽、11勝3敗どうしの阿炎と琴ノ若との取組は阿炎が勝ち、これで11勝3敗の横綱・照ノ富士が結びの一番で御嶽海に勝てば巴戦が見られると思いつつ、照ノ富士の土俵入りを見て足への不安を感じた。
そして結びの一番、照ノ富士はいつもの仁王顔ではなく、御嶽海は精神統一した顔つき。御嶽海は左のおっつけが効き、もろ差しから一気に前進。照ノ富士は踏ん張ることができず、寄り切られた。照ノ富士がいる伊勢ヶ濱部屋の安治川親方(元関脇・安美錦)がNHKラジオの解説をしており、照ノ富士は12日目の相撲で踵を痛めたという情報が、NHKテレビの方に入ってきた。
照ノ富士はいつもの両膝の装具に加え、右足に足袋、左足にテーピングとサポーターのようなものをしていた。「相撲は負けて怪我をする」というが、照ノ富士は12日目に小結・明生に負けて土俵下にドスンと落ちたのがいけなかったようだ。
照ノ富士が今場所優勝すれば、第27代横綱・栃木山以来103年ぶりの新横綱からの3場所連続優勝となった。私は相撲の資料を入れている相撲箱をひっくり返して、栃木山の資料を探した。
しかし、優勝したのは御嶽海。御嶽海は3場所で大関ラインの33勝をあげ、優勝もした。御嶽海の出身地である長野県からの大関は、200年以上前の雷電だという。放送終了後、別の相撲箱を開けて調査。雷電為右衛門は、江戸中期の大関で、生涯成績254勝10敗の天下無双の名力士だと分かった。雷電の頃は大関が最高位だった。インターネットで調べればいいものを、年寄りは書籍に頼りたがるのよね。