浅田さんの愛犬アヴィ、Coo、与作、カル、全員が、多頭飼育崩壊、悪徳ブリーダー、飼い主のネグレクトから保護された犬たちだ(写真提供:浅田さん)

犬たちの存在が私を強くしてくれる

その子も半年前に亡くなりました。急性腎不全を起こし、最後のほうは私が皮下点滴などをして介護する日々。2年弱の闘病生活でした。推定17歳、犬としては大往生ですが、何度経験しても別れはつらいですね。

今は保護犬3匹と暮らしています。朝夕の犬の散歩が私の日課。散歩は1回30分から、時間があれば1時間ぐらいぶらぶらしています。5匹の犬と暮らしていた時期は、2組に分けて、朝夕2回ずつ連れて行っていましたね。あれは大変だった(笑)。歳をとると足から弱るっていうじゃないですか。運動習慣のない私にとって、犬の散歩は一番の健康法です。

保護犬と里親を引き合わせる譲渡会の活動もしています。21年11月にはMISIAさんの協力を得て、東京都江東区にある有明ガーデンで保護犬里親会を行いました。集まってくださった方は、なんと2000人!

幸せを掴む犬が増えることを願っています。

金儲けのために、劣悪な環境で次々に繁殖させる悪徳業者の行為を取り締まる法律が、日本にはありません。虐待する飼い主にもペットの所有権があるので、私たちは救出できないのです。国会議員や官僚の前で法改正を訴えたり、講演活動をしたりもしています。そういうときの私はすごく真剣で、熱く話すみたい。犬たちの存在が私を強くしてくれるのだと思います。

人と犬を同列で語ってはいけないけれど、動物愛護の活動は、『朝が来る』で演じた養子縁組の活動に少し似ているように感じます。大切な命を救いたい、幸せになってほしいという気持ちは同じ。だから役にスーッと入り込めたのでしょうね。いろんな経験が演技に生かされるのだと思います。