「命」という漢字を体で模するギャグで人気者となったお笑いコンビTIMのゴルゴ松本さんと、自伝的小説『母』を上梓し、『婦人公論.jp』でもエッセイが好評な青木さやかさんは、同じ芸能事務所の先輩後輩同士です。ゴルゴ松本さんのライフワークは、全国の少年院を中心に漢字の知識を通して人生を語る「命の授業」。そんなゴルゴさんが「命の授業」のこれまでの歩みと、新聞を通して寄せられた人生相談への解答をまとめた『「命」の相談室』を上梓しました。18年来の交流があるお二人が、当時のこと、これからのことについて語り合いました。(構成◎岡宗真由子 撮影:本社・中島正晶)
亡くなってからも近くに感じて
ゴルゴ :青木が書いた『母』を読ませてもらったよ。青木はさ、お母さん亡くなっちゃったけど、死んでからも会話できることってない?
青木 :そうですね、母のことをむしろ身近に感じています。
ゴルゴ :以心伝心というか、亡くなってからも心が通じ合うことってあるよね。俺も死んだ親父に「元気だよ」って話しかけたりしてる。むしろ亡くなることによって伝えることができる人間もいる。青木は病気になったお母さんとお話しできて、それから見送ることがきてよかったね。
青木 :私は母と確執があって、なかなか母のことを愛せなかったのですが、最後、この本にも書いたようになんとか和解して決着つけられたと思っていたんです。でも母が亡くなって日が経つごとに、そばにいてバックアップしてくれているような感覚になりました。
ゴルゴ :本の終わりに行くにつれ「雪解け」というか「春」を感じたよ。青木さやかに春が来たんだなって。