「命」という漢字を体で模するギャグで人気者となったお笑いコンビ、TIMのゴルゴ松本さんと、自伝的小説『母』を上梓し、『婦人公論.jp』でもエッセイが好評な青木さやかさんは、同じ芸能事務所の先輩後輩同士です。ゴルゴ松本さんのライフワークは、全国の少年院を中心に漢字の知識を通して人生を語る「命の授業」。そんなゴルゴさんが「命の授業」のこれまでの歩みと、新聞を通して寄せられた人生相談への解答をまとめた『「命」の相談室』を上梓しました。18年来の交流があるお二人が、当時のこと、これからのことについて語り合いました。 (構成◎岡宗真由子 撮影◎本社・中島正晶)
いつもイライラしていたあの頃
青木 :お久しぶりです!
ゴルゴ :俺のカミさんと一緒にレバーパテの店に行って以来だよね。
青木 :はい。私はゴルゴ塾(*ゴルゴ松本さん主催の後輩を叱咤激励する会)には入っていませんでしたが、2004、5年頃よくお宅にも寄らせていただいてました。
ゴルゴ :あの頃、青木はイラついてたよなー。(笑)
青木 :はい、イラついてました。よく先輩に「青木は何と戦っているの?」と呆れられていました。
ゴルゴ :不思議に思ってたよ。青木は元気だし、力もあるし、テレビに向いていてバーンって売れていってた時だったのにね。
青木 :芸能界で売れれば心が埋まると思っていたんですよね。でも埋まらないのが辛くて、いつもイライラしていました。