「命」と「どこ見てんのよ!」、お互いの決めポーズで。「俺たちは平坦な道を歩いて来たわけじゃないからさ、経験に根付いた話ができるのよ」(ゴルゴさん)

「その人の本当の気持ちは誰にもわからない」

青木 :私も少年院のボランティア講演に連れて行ってください。

ゴルゴ :今度行こうよ、女の子のところもいいかもね。俺も行ったことあるんだけどアンジェラ・アキさんの『手紙〜拝啓15の君へ〜』を歌ってもらって、こちらが涙抑えるのに必死だったよ。みんな普通の女の子たちだったから。

青木 :それは泣いちゃいますね。

ゴルゴ :俺たちは平坦な道を歩いて来たわけじゃないからさ、経験に根付いた話ができるのよ。

そういえば青木の本は、テンポが良くてあっという間に読めたね。病気のこと書いてたじゃない?「病気になった人でも、病気の人の気持ちがわかるわけじゃない、本当のところは誰にもわからない」って。逆のことを言う人はいるけど、こういう考えはなかなか書かれてなくて新鮮だった。俺は同じ思いがあるんだよね。

青木 :同じ思いですか?

ゴルゴ :俺もカミさんが病気した時に「大丈夫だよ」って言ったの。それに対してカミさんが「病気になってないからわからないでしょ?なんで『大丈夫』って言えるの?」って言われた。俺は「俺が同じ病気になったとしても本当のことはわからない、でも俺は大丈夫って思うよ、その気持ちに嘘はない」って伝えたの。同じ経験してなくても、言葉はかけられる、そばにいて見守ることはできるよって。

青木 :見守るって難しいですよね。

ゴルゴ :ほんとにそう思う。

<後編につづく