若手芸人の頃の青木さん。エレベーターガールの設定で。いつもイライラし、それをキャラに活躍

ゴルゴ :だけど勉強していたらいつの間にか、俺の知ったことを一人で独占しちゃダメだ、「一杯のかけ蕎麦」じゃないけど、分け合わなきゃって。そんな時代を経てこのボランティア講演の話をいただいたから、俺の使命なのかもしれないと思ったんだよね。青木は「使命」って何か感じる時ある?

青木 :私は、なんで売れたんだろう? というのがずっとわからずに来たんです。でもここのところ、母との確執がなくなって、イライラもしない人間になって…。もしかしたら「人間は変われる」って言うことを、多くの方に見てもらうためなのかなと思ったりします。

ゴルゴ :うん、芸能人には「変わっていく姿を人に見せる」っていう使命があると思うよ。時代が「青木さやか」を産んだんだと思う。たまにない?自分が喋ってるんじゃなくて「言葉」が勝手に自分に喋らせてるんじゃないかっていう感覚。

青木 :あります。私はこの自分の『母』という本はそうやって書いた感覚があります。

ゴルゴ :すごい情景が浮かぶもんね、日記みたいに、つい昨日起きたことのように書いている。

青木 :ありがとうございます。私にとっては日記というより「反省文」に近い気がします。反省文を読んでいただくのも申し訳ない気持ちがあるので、できるだけ明るい気持ちになってもらえるように言葉選びには気をつけています。

『母』(青木さやか・著/中央公論新社)