「芸能界は元気で馬鹿なジジイがいっぱいいるから見習って、ずっと元気なバカでいたいな」(ゴルゴさん)

漢字には人間の叡智が詰まっている

ゴルゴ :人間のそばにはいつも「言葉」「言霊」があって、それを形にして表すのが漢字。3000年使われてきた人間の叡智が詰まってるんだよね。いい言葉を使っていると自分にもいい影響があるよ。「私は美しい」って自分で声に出していった方が実際美しくなるもんだよ。

青木 :声に出したほうがいいんですか?

ゴルゴ :そうそう、本当に美しくなる。あとさ、人間の心は鏡だから、美しい心があるから美しいものが目に入るんだよ。青木はさ、昔は「お金」とか「売れる」とか「オチは何?」とかそんなこと気にしてたけど、いろいろ経験して心が美しくなってるから、どんどん美しいものが見えやすくなっていると思うよ。

青木 :心が美しくなってるかどうかはわかりませんが、景色や音、舞台から伝わってくるものが前とは全く違います。最近『しろいうさぎとくろいうさぎ』という絵本を読み直して涙してしまいました。ようやく人間の心を持てたのかな、と思います。(笑)

ゴルゴ :青木は今舞台で活躍しているよね。「女が優しいって書いて女優。俳優の優もそうだけど憂(うれい)に寄り添う人」なんだよね。病気もして、嫌いだった親を許して、見送って、いい女優になったんだよ。人間として女優としてどうなって行きたいとかあるの?

青木 :とにかく一日一日を精一杯やることしかないと今は思っていますね。ゴルゴさんの本にも生きるのが辛い人へのメッセージがありましたけど、昔は私も生きるのが辛いタイプの人間だったので、「人のために何ができるか」考えることで救われていると思います。ゴルゴさん、50代ってどうですか?

ゴルゴ :俺はカミさんとも相談して、いつ死ぬかもわからないからとにかく楽しもうねって言っている。芸能界は元気で馬鹿なジジイがいっぱいいるから見習って、ずっと元気なバカでいたいな。常識に囚われないっていうかね。

江戸時代に侍だったとしてもさ、廃刀令の後、丁髷して刀持ってたら捕まっちゃうわけじゃん。いつかの常識が非常識に変わっていく。俺も今「常識」って言われていることにあまり執着しないでいたいと思ってるんだ。