巣ごもり生活で、体が重いと感じている人は少なくないでしょう。そこで毎日の習慣にしたいのが、「ラジオ体操」です。単なる準備運動と思ったら大間違い。ポイントを押さえて動作を行うことで、うれしい健康効果が得られるのです。「いち、にっ、さーん、しっ」と慣れ親しんだリズムに乗って全身を動かし、軽やかな心と体で元気に過ごしましょう(実演:平井孝子〈全国ラジオ体操連盟理事/指導委員〉 撮影:本社・八木沼卓 構成:本誌編集部)

知らず知らずのうちにゆがみや偏りが生じる

「ラジオ体操」は1928年に「国民保健体操」として制定されて以来、90年以上の歴史があります。読者のみなさんも子どもの頃に、体育の準備運動や夏休みの行事などを通じて慣れ親しんだのではないでしょうか。

ラジオ体操には、基本の「第1」と、ダイナミックに体を動かす「第2」があり、取り組み方によってダイエットや筋トレなど、さまざまな効果が期待できますが、まずは日々の体のメンテナンスとして習慣にすることをおすすめします。

人間は何も意識せずに生活していると、筋肉の使い方に偏りが生じ、ゆがみが出てくるものです。そうした悪いクセを放置すると、体の痛みや動きづらさといった不調へとつながります。特に寒い時季は運動量が減り、関節や背すじが縮こまりがち。すると姿勢が前かがみになるだけでなく、筋力が衰え血行が悪くなり、代謝も落ちるのです。

ラジオ体操には、そうした体のクセやゆがみをリセットし、血流を促して代謝を上げてくれる働きがあります。また、リズミカルに体を動かすことで、脳と体をつなぐ運動神経を刺激。瞬発力や反応力を維持すると同時に、転倒や骨折の予防効果も。さらに、深呼吸は自律神経に働きかけるため、心身の調子が整えられます。

つまり体、頭、心に効く、究極の健康法なのです。