我慢しきれずにむせてしまうくらい面白い舞台に

稽古の開始はこれから。舞台へのプレッシャーは?

「プレッシャーはありますが、まだそこまでは。稽古が始まるのが約1カ月後なので(※取材時)、多分その1週間前あたりで緊張がピークに達し、本読みが始まる頃には自我が崩壊してわけのわからないことを言い出すと思います(笑)。そのテンパリを越えたらやっと自分に戻るのですが、必ず最初は空回りしますね。ラサールさんが、喜劇を作るうえでは楽しく風通しのいい現場が一番とおっしゃっていたので、それに乗っかって楽しく勉強できたらと思っています」

2022年もスタートしたばかり。最後に、今年の抱負を聞いた。

「まずは『三十郎大活劇』を観に来てくださる方に思いきり楽しんでほしいと思います。コロナ禍で声を出せないという制限はありますが、“笑ってはいけない……”じゃないですけど、観ている人が我慢しきれずむせちゃうくらい面白い舞台にしたい。笑っちゃダメだけど絶対笑わせてやる、みたいな(笑)。それくらいの姿勢で臨むつもりです。
あとはできるだけ早く、演劇やコンサート等のエンターテインメントだけでなく、お花見も食事も心から楽しめる社会になってほしい。もう2年間この状況が続いていて、今は隣にいる人が咳をしたら、そこにいる全員がピリッと反応する脳になっていますよね。本当なら『大丈夫ですか?』とか『お大事に』という、いたわりの気持ちが出なきゃいけないのに……。感染者数がどうこうではなく、人々の思考回路が元の状態に戻って初めて、“収束した”と言えるんじゃないかなと僕は思っています」

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前回(2020年5月21日『婦人公論.jp』)インタビューさせていただいた際、「世の中で大きな話題になっている作品は、別に観なくてもいいかなと敬遠するたちですが、後になって観て感動して、早く観ておけばよかった!と悔やむんですよね」と語っていた青柳さん。「現在も同じですか?」と尋ねると「今も変わらないです(笑)」という答えが返ってきた。
ちなみに最近観たものでは、映画『花束みたいな恋をした』がそうだったとか。「めっちゃ感動しました。構成がしっかりしていて、ああ、これが万人受けする映画かと。映画好きな人が観たら普通に感動すると思います」と楽しそうに話してくれた。

『三十郎大活劇』の上演は4月。この停滞した空気を吹き飛ばす、痛快な舞台の幕が上がるのを楽しみに待ちたいと思う。

◆『三十郎大活劇』は2022年4月2日(土)~17日(日)新国立劇場 中劇場、4月23日(土)・24日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて開演
公式サイト:https://stage.parco.jp
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