「朝ドラ」の主題歌を担当して

朝ドラの主題歌のお話をいただいた時は、もううれしすぎて(笑)。「本当に?」って周囲の人に何度も確認しましたし、実際に制作に取り組むまでは実感がわきませんでした。

全国放送ですから、鹿児島の両親も見ることができる。ドラマを見た日本全国の人々が、もれなく私の歌を聴いてくださるのはすごいことだし、ありがたいことです。
その分、プレッシャーも大きかったですね。私はもちろん、周囲の人たちの気合いの入り方も半端じゃなくて(笑)。

鹿児島に住む両親も朝ドラの主題歌を歌うことを喜んでくれた。写真は昨年70歳の誕生日を祝った時(AIさんインスタグラムより)

楽曲を作るにあたって、『カムカムエヴリバディ』がどのような物語なのかを教えてもらいました。ラジオ英語講座をめぐる祖母、母、娘の3世代の100年にわたる物語であること、「平和」「陽のあたる場所」がキーワードになるということ……。それを聞いて思ったのは、「感動のある曲」を作りたいということ。

朝ドラを見て学校や会社へ出かける人って多いですよね。だから朝ドラの主題歌は明るく、爽やかなイメージのものが多いように感じます。ただ、自分が依頼を受けたということはこれまでとは違う感じを期待されているんだろうなとも思って。

いつも通り自分で1曲作ってみて、「すごいのができた、最高だ!ぴったりだ!」と思ったんですけど、スタッフの中では意見が分かれて……。「もうちょっと行けるだろう」「もうちょっと違う感じの楽曲も作ってみたら」ということだったので、2曲目を作りました。これもまた「いいのができた」と思ったんですけど、スタッフの中で1曲目がいいという人と2曲目を押す人とに意見が分かれてしまったんです。