宝塚時代から私を支えてきたのは「やるときはやる」そして「できないから、やっているんだ」という2つの言葉です。誰しも、できないときは、やっぱりつらいですよね。でも、できないからこそ練習を続けるのだし、できないからこそ、絶対に達成しようと頑張るわけで。どんなにしんどくてもつらくても、「やるときはやる」と腹をくくったら、自分がすべきことが決まってくるはず。
決めるときは決められる自分じゃないといけない――それは宝塚のトップ時代に学んだこと。トップである私がどんと構えていないと、みんなが不安になってしまう。だからこそ、たとえ最初はうまくできなくても、「やるときはやる」という言葉を、ずっとおまじないのように唱えてきたのです。
その気持ちは今も変わっていません。私、子どもの頃からかなり頑固な性格なんです(笑)。中学3年のときに、バレエ教室の友達から借りたビデオで宝塚の舞台を初めて観た瞬間にすっかり心を奪われて。けれど、宝塚音楽学校を受験したいと言ったら、両親に大反対されてしまった。
でも、「ここで諦めたら一生後悔する」と思って部屋に閉じこもり、何日も大声で泣きながら「入りたい」と訴えました。それで、ようやく両親が折れてくれた。家を飛び出したも同然でこの世界に入ったからには、「やり遂げた!」と自分が納得できるところまでは絶対にやりきるぞという思いで、ここまでがんばってきたのです。
宝塚から離れた今も、こうしてまた役者のお仕事を始めたからには、その思いを忘れずに。きちんと、いい結果に結びつけられるように、これからも真摯に歩んでいきたいと思っています。