執着せずに手放すこと

ただリラックスしてもよくならない。例えばこたつなどで寝た後はさらにむくんでひどくなったように感じたことがありました。勉強したり、まったく違うことに集中したりすると、気にする思考回路から離れられることが分かったのです。

この経験は、生きていくうえでの心の使い方の大切な教訓になりました。その後、人を幸せにすることの学びの一つにもなっています。一生懸命とは何なのか。精神統一とは何なのか。瞑想とは何なのか。自然治癒力とは何なのか。神の力とは何なのか。祈りとは何なのか。そうした大切な事柄が次から次へと関係する学びです。

修行において、変化する生理現象や心理現象の関係性とこれらの働きをどう進化させてコントロールするか、など学びのヒントがたくさんあることに気づいたのです。

ダイエットもそうでしょう。「痩せたい、痩せたい」と思いすぎるとかえって痩せづらい。食べたい気持ちを我慢し、わずかな体重の変化に一喜一憂していたのでは辛くて仕方がない。痩せる努力はするけれど、同時に、ダイエットを頑張らないで過ごす時間を作ることも大切なのです。

恋愛の悩みもしかりです。昔から「逃げれば追う、追えば逃げる」といいますね。好きな人に執着すればするほど、相手は離れてゆく。思い切って手放してしまったほうが良い結果を招くということもあるのです。

顔の吹き出物の話に戻しましょう。少し引いたとはいえ、完治には程遠い状態でした。自らもいろいろな本を読み、症状に効く方法を探していました。そこで知った、代謝をよくするための青汁療法も試しました。当時は、生の野菜は食べられないと言われていました。人糞肥料を使っていたので、食べる時は必ず火を通していたのです。ですから庭に青い野菜を無肥料で栽培して、害虫を手で取り除いて青汁を作りました。

『慈愛に生きる-ヒマラヤ大聖者 相川圭子自伝』(著:相川圭子/中央公論新社編)