「あの番組(夜のヒットスタジオ)で新曲を披露する方も多かったでしょう。歌詞も振り付けも覚えたてだから、皆さんとっても緊張するんですよ。それをほぐすのも司会の役目だと思っていました」

芳村 言い訳すると、あの番組で新曲を披露する方も多かったでしょう。歌詞も振り付けも覚えたてだから、皆さんとっても緊張するんですよ。それをほぐすのも司会の役目だと思っていました。アイドルの子はなかなか遊びにも行けないだろうからと、本番終わりに六本木のディスコへくり出したことも。

水前寺 いいなあ、私も連れて行ってほしかった。(笑)

芳村 あら本当? チータは真面目だから、夜遊びに興味がないと思ってた。

 

「寂しくないですか」と聞かれるけれど

水前寺 プライベートではなかなか接点がなかったですよね。

芳村 でも年齢を重ねると、共通点も出てくるじゃない? 私たちはどちらも「おひとり様」。私は4年前に夫を亡くしているし、チータも離婚したのよね。

水前寺 1年前のことですが、何を今さらという感じなんですよ。結婚していても私は旅公演、向こうも仕事が忙しくて、離れて暮らす時間が長かったので、生活に変化はほとんどないですし。ただ考えることが一つ減ったかなって。(笑)

芳村 そうねえ、この年齢になって人のことで頭を悩ますのはバカバカしいわよ。

水前寺 芳村さんのご主人(実業家の大伴昭さん)とは数年前、飛行機の中でお会いしたのが最後でした。本当にダンディで素敵な方でしたね。

芳村 夫の両親が100歳近くまで長生きしたので、「私のほうが先に逝くだろう」とずっと思っていました。それが89歳で先に逝ってしまって、「あらどうしましょう」と。海外出張が多い人だったので、「そのうち帰ってくるんだろうな」という感覚がしばらく抜けませんでした。