芳村さんは孫娘のKayaさんと、FM大阪のラジオ番組『セキスイハイム近畿 3世代ミュージックハイム』で共演(2、3月の毎週日曜日放送)

水前寺 「寂しくないですか」と聞かれることもありますが、私はまったくないんです。

芳村 私も、寂しさを感じる暇がないわね。誰かがいつも周りにいるから。

水前寺 そうですね。立場としては「おひとり様」ですが、自宅には毎日後援会の人たちが来てくれて、家の中はうるさいくらいにぎやかなんです。

芳村 あら~、いいわね。

水前寺 そもそも私は、家に誰かがずっといたんです。12歳で熊本から上京してきた時も、両親やきょうだいと一緒に暮らしていましたし。私を「歌手にしたい」と願った父はもちろん、家族全員で私をサポートしてくれました。両親が亡くなり、兄が亡くなり、長くマネージャーを務めてくれた姉も5年前に亡くなって。その意味では「ひとり」なのですが、不思議とそんな気がしない。「みんな元気で長生きしてくれたな」と家族に感謝しています。

芳村 年を重ねると、だんだんと大切な人がいなくなるのは自然なことだとわかってくるわよね。だから別れが来ても、いちいち悩まないし、落ち込まない。諦めとも違って、「そういうもの」という気楽な感じで、流れのままに捉えられるようになる。

水前寺 家族はいつも近くにいてくれる感覚がありますね。毎日、仏壇に「私は元気だから安心して」と話しかけています。

芳村 私の場合、夫との50年の結婚生活は本当に充実していたし、彼が遺伝性の認知症になってから10年間の介護も、できるかぎりのことはしたと思っています。その思い出が自分を支えているの。「もういないのね」と思うこともあるけど、妹が泊まりに来てくれたり、子どもや孫たちが遊びに来たりしているから、寂しくない。

水前寺 それはいいですね。

芳村 最近、孫娘(シンガーのKayaさん)に「グランマ、一緒にラジオをやらない?」と誘われて。お互いの好きな曲をかけたり、私のお友達を呼んでトークをしたりしています。あんなに小さかった子が、いつの間にか一緒に仕事をする大人になっていて、びっくりよ。(笑)