俳優や声優、ナレーターとして著名なキートン山田さん。「後半へ続く」に代表される『ちびまる子ちゃん』のナレーションを耳にしたことがある人も多いのでは。44歳のときに携わるようになって、75歳で引退するまでの31年間、大変なことも悲しいことも出演者・スタッフと一緒に乗り越えてきたというキートンさんですが、それでも原作者・さくらももこさんとの突然の別れには衝撃を受けたそうで――。
『ちびまる子ちゃん』出演者はみんなすごい
毎週金曜日、同じ顔ぶれで15時から17時くらいまで収録して、それを約4週間後の日曜日に放映して、トータルで31年。
最初のうちは、忘年会で「来年も続きます」って言われると、みんなで「うわぁ〜!」って喜んだりしてた。それぐらいめずらしいことなの、番組が2年も3年も続くって。
途中、声優の水谷優子さん(お姉ちゃん役)、富山敬さん(初代・友蔵役)、青野武さん(二代目・友蔵役)、そして原作者のさくらももこさんが亡くなるという悲しい出来事も、出演者・スタッフみんなで乗り越えてきた。
『ちびまる子ちゃん』の出演者はみんな、本当にすごいなって思う。キャラクターもハッキリしているし、声優一人ひとりが自分の役を作り上げて、大事にしている。
その個性がぶつかり合うから、現場はすごく刺激があって楽しかった。ナレーターの僕はむしろ、声優たちが醸(かも)し出す世界観に乗っかって、あとからついていこうっていう気持ちで毎回収録に臨んでいたんだ。