理想の父親像はお父さんの影響

莉瑛 ただ、あなたは以前から子煩悩。今は「なんでも話せる親子」という理想の父親像の通りになってる。息子たちは、私に話さないこともあなたには報告しているみたいね。長男が高校生になるまでは、息子たち3人と一緒に寝ていましたし。

嘉人 アスリートは自分の体のケアのため、家族とは寝室を別にするという話をよく聞くけど、僕は一緒のほうがいい。狭くて寝がえりはできないし、蹴とばされたりして朝起きると体のあちこちが痛い時もあるけど、別々に寝たいとは思わない。

莉瑛 あなたの理想の父親像はお父さんの影響なのよね。

嘉人 姉、妹の3人きょうだいだった僕は父親にめちゃくちゃ可愛がられて育ちました。でも、「プロサッカー選手になれ」という期待が大きかっただけに、自分の本心が言えなかった。テレもあったし。だから自分の息子たちとは、絶対に心の壁を作りたくなくて。なんでも話せる父親になりたかった。

莉瑛 ただ、息子たちと密にコミュニケーションを取り始めたのは、長男が小学校に入学したあたりから。

嘉人 息子たちは常に「ママ」「ママ」で、僕がいくら可愛がっても、どんなに楽しく遊んでも、最後にはママのところに行く。敗北感でいっぱいでした。

莉瑛 あの頃、「いいよな、莉瑛にはおっぱいという武器があって」とすねてたね。(笑)

<後編につづく


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