医学という学問が持つ魅力は

ロベルト・コッホ、パウル・エールリヒ、アレクサンダー・フレミング、そして、HIVを発見したリュック・モンタニエとフランソワーズ・バレ=シヌシ、C型肝炎ウイルスを発見したハーベイ・オルター、マイケル・ホートン、チャールズ・ライス。彼らは全員、ノーベル賞受賞者である。

誰もが想像すらできなかった医学の進歩を、血の滲むような努力の末に実現した偉人たち。その功績が臨床の現場にもたらした恩恵について知ることも、医学という学問が持つ魅力である。

医学を学ぶことは、途方もなく楽しい。

知れば知るほど、学ぶことの楽しさは指数関数的に増大していく。

私が医学生の頃から絶えず味わってきた興奮を、誰かと共有したい。知識の点と点が線となってつながり、思わず膝を打つときのときめきを、誰かに伝えたい。

私が執筆したのは、それが理由である。

目指すのは、過去から未来まで、頭から爪先まで、人体と医学を楽しく俯瞰することだ。幼い頃に買ってもらった新しい図鑑の頁をワクワクしながらめくったときのような、心躍る体験を届けたいと思う。

それでは、さっそく始めよう。

あなたの体をめぐる知的冒険を。

※本稿は、『すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険』(著:山本健人/ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。


『すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険』(著:山本 健人)

本書は、外科医けいゆうとして、ブログ累計 1000 万 PV超、twitter(外科医けいゆう)アカウント9万人超のフォロワーを持つ著者が、人体の知識、医学の偉人の物語、ウイルスや細菌の発見やワクチン開発のエピソード、現代医療にまつわる意外な常識などを紹介していく。健康情報として医学を取り上げるのではなく、サイエンス書、教養書として、人体の面白さ、医学の奥深さを伝え、読者の知的好奇心を満たす一冊!