準備と工夫次第で経済的に暮らせる自宅

住み慣れた自宅で近所の親しい人たちと交流しながら生涯を送りたい、と考える人は多いでしょう。しかし、核家族化が進み、ひとり暮らしをする高齢女性が増えるなか、「自宅で最期まで」を貫くにはそれなりの準備や覚悟が求められます。

自宅の場合、介護サービスを使って生活している地域の人の話を聞いておくとイメージしやすいでしょう。

たとえば、「自宅をバリアフリーにリフォームしたときに、手すりの設置、段差の解消、和式トイレを洋式に取り換える工事が介護保険サービスの対象になり、20万円の工事費が1割負担ですんだ」という話を聞いておけば、18万円の余計な出費を防げるのです。

将来的に訪問介護や訪問看護の費用、医療費などがかかるものの、後述する高齢者向け住宅・施設に比べれば、費用は少なくてすみます。

健康で自立した生活を続けられるように留意しつつ、無理がきかなくなったら介護サービスや家族・友人など、頼れるところに頼る手段を思い描いておく。老後をなるべく長く自宅で過ごすには、そうした柔軟な心構えも大切になってくるでしょう。

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