いつもと違う、どこか調子がよくない…と思っても、かかりつけ医のいない人はなかなか気軽に聞けないもの。小さな不調に大きな病気が隠れていることもあるので、油断は禁物です。また、人になかなか打ち明けられない悩みも、日々医療は進歩し、治療法が開発されていることも。大切な自身や家族の健康は、ぜひ医師に相談してみてください。女性に多い病気を中心に、症状、原因、治療、予防の4つの観点でご紹介します。第2回は、「尿のトラブル」です。(取材・文/読売新聞 渡辺勝敏)
〈症状〉歩くだけ、腰を上げるだけでも漏れる
40歳以上の3人に1人が経験しているという尿漏れ。せきやくしゃみ、スポーツや重い物を持ち上げるなどの動作で腹部に圧力がかかった時に出てしまうのが、尿漏れの半数を占める腹圧性尿失禁です。症状が重くなると、歩くだけ、腰を上げるだけでも漏れることがあります。
もう一つは、急に我慢できない尿意が襲ってくる切迫性尿失禁。膀胱が勝手な収縮をする過活動膀胱が原因です。帰宅して鍵を開けようとする、冷たい水に触れるなどの刺激によって尿意が起こったり、トイレの前まで行って間に合わなかったりといったケースは、過活動膀胱ですね。
頻尿や尿漏れがあると、映画や旅行など、尿意を我慢する必要がある場所に行くのがおっくうになってしまうことも。これは精神的にもよくありません。治療法はあるので、泌尿器科医に相談してください。
一方、頻尿や尿を出しきれていない感じから始まって、やがて排尿後にツーンとしみるような痛みを感じ、尿が濁ってくるのが、細菌性の膀胱炎です。尿が臭くなることもあります。