〈予防〉骨盤底筋をいたわり水分を摂りすぎないこと

尿漏れの予防は、骨盤底に負荷をかけないようにすることです。重い物を持たない。排便時にいきみすぎない。お産では、靱帯や骨盤底筋が伸びるため、元に戻ったとしても、出産前と同じにはなりません。また、肥満は骨盤底筋を自分の体重で傷めていること。肥満の方はまず減量を。骨盤底筋訓練も役に立ちます。太っていて、腹圧性尿失禁がある方は、体重を減らすだけでも改善します。

最近、気になるのは、脳血管疾患の予防などの理由で水分を摂りすぎる方がいること。確かに狭心症の方の心筋梗塞を防ぐ可能性は少しはあるようです。また脱水はよくありませんが、過剰摂取は頻尿の原因になるうえ、過活動膀胱治療薬も効きにくくなります。1日で、体重(kg)×40ccよりも多く尿が出る方は多尿で、水分の摂りすぎです。自分の尿量を排尿記録で確認してみるとよいでしょう。水分を摂ったらすぐにトイレに行きたくなる人も、トータルの摂取水分量が多すぎる可能性があります。

膀胱炎の予防は、大腸菌を寄せ付けず清潔にしておくこと。排尿・排便時は前から後ろに拭きましょう。便秘や下痢をすると大腸菌が増え、尿道に入る危険が高まります。尿漏れで尿漏れパッドを使っている場合、湿気により細菌が増殖しやすくなるので、適切な容量のパッドを使用し、こまめに取り替えるようにしてください。