アルクォーズ見学会の記者会見風景(写真:『世界の中心で馬に賭ける-海外競馬放浪記』より)

モハメド殿下におすすめ2歳馬を聞いてみた

思い出深いのは、アルクォーズステーブルというゴドルフィン(ドバイの首長であるシェイク・モハメド殿下が率いるホース・レーシングチーム)のプライベートステーブル見学会。通称「馬見せびらかし大会」。

ゴドルフィン所属のスターホースたちが次々と調教供覧に登場した。あのころ契約騎手だったランフランコ・デットーリ騎手、いまでもゴドルフィンのメイン調教師であるサイード・ビン・スルール調教師、現英国の調教師で当時レーシングマネージャーだったサイモン・クリスフォード氏による記者会見などもあった。

そして、たまにふらっと、シェイク・モハメド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム殿下本人がやってくることもあった。競馬当日はそれなりの警備に囲まれているのだが、見学会の日は「単なる馬見に来たおっさん」という感じ。その辺に普通に座っている。

なかなかない機会なので、シェイク・モハメド本人からコメントを取ってみようと思い、「殿下おすすめの2歳馬はどれですか?」と聞いてみたことがある。ゴドルフィンは「ゴドルフィンセブンスターズ」というオンラインペーパーオーナーゲームのような企画をやっていて、その宣伝に筆者も関わっていたからだ。

ただ、返ってきた答えはやや苦笑いぎみに「分かんないからサイモン(クリスフォード)に聞いてよ」というものだった。

枠順抽選会で関係者と談笑するシェイク・モハメド殿下(写真:『世界の中心で馬に賭ける-海外競馬放浪記』より)

たぶんだが、お値段高い馬がいっぱいいすぎて馬主本人もよく分からなくなっていたのではないか。

最近も5年に一度くらいドバイに行っているが、シェイク・モハメド殿下と気軽にトークできる機会は思い当たらないし、やはり昔はのんびりしていて面白かったと思う。