オーストラリアは女性騎手の比率が高い

オーストラリアは競馬全体において女性騎手の比率が高いが、ピクニック開催はさらに高い。騎乗と騎乗の合間に幼い子供と芝生で遊んでいるような騎手もいる。

筆者のピクニック競馬初体験となったのが、ヴィクトリア州のウーラマイという競馬場。ちょうどこの競馬場で年イチの大レースが行われる「カップデイ」だった。

オーストラリアは小さな競馬場でもカップデイは大いに盛り上がる。この日のウーラマイも大型バスで近郊の住民が乗りつけ、1レースの遥か前から文字通りのピクニック状態になっていた。

競馬場にはスタンドと呼べるものはない。オーストラリア人にとってスタンドより先に建設すべきはバーである。なので、ボロ家レベルのものだがバーはある。開催日数の少ないカントリーの競馬場もそうだが、競馬をするための最低限の設備だけが用意されている。実況アナもパトロールタワーのような建物から乗り出してむき出し状態で実況だ。

ちなみにピクニック競馬の馬券はネットや場外で売られることがなく、場内完結。中継もされないので、この実況は場内および記録のためだけのものである。

オッズがアナログ表記の老舗系ブックメーカー(写真:『世界の中心で馬に賭ける-海外競馬放浪記』より)

ブックメーカーは、主要場の馬券も売る最新設備の業者も来ているが、昔ながらの「馬名は手書き、オッズ変更は手でつまみをくるくる回す」というタイプもいる。せっかくピクニック競馬に来たときは、このような古き良きブックメーカーから馬券を買ってみたいものである。