競馬が好きって、こういうことだよね
ヴィクトリア州を例にとると、だいたい週に1日はどこかの競馬場でピクニック競馬が行われる。土曜日に行われることが多いようだ。
日本人が海外で競馬を見るときは大レース志向が強いと思うが、このピクニック競馬や、開催規模の小さい、レベルも高くはないカントリーの競馬は本当におすすめだ。「競馬が好きって、こういうことだよね〜」という要素に満ちている。
賞金が安いということは「競馬に参加したい、勝ちたい」という動機しかないということでもある。そんな人たちが展開する競馬には、メトロとはまた違う魅力があるのだ。
※本稿は、『世界の中心で馬に賭ける-海外競馬放浪記』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
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「自分がこれだけたくさん海外の競馬場に行くことになろうとは、当時全く考えていなかった。この本を書くにあたって改めて数えてみたところ、150近い競馬場を訪れていた。生きているうちに、少なくとも200場は超えようと思っている」(「はじまりは香港・沙田競馬場」本文より)。
グリーンチャンネルやBS11の競馬番組、ペーパーオーナーゲームの"赤本"『POGの達人』でおなじみの競馬評論家が、約30年をかけて訪れた、アジア、オーストラリア、中東、ヨーロッパ、アメリカの150近い競馬場の中から、記憶に残る63場を紹介。海外のG1が開催される憧れの競馬場から、1年に1日しか開催されない砂浜の競馬場、そして、今は存在しない廃止場・休止場まで--。馬と競馬を愛する全ての人に贈る、350枚の写真と共に綴る旅エッセイ。